なぜ選考に通らない? – 見落としがちな原因について解説

転職 面接

メディアも転職エージェントも「売り手市場」と言っているのに、思うように選考に通らない。

そう思ったことはありませんか。

最低でもここ10年以上、売り手市場なのは間違いありません。しかし、依然として内定獲得に努力を伴うことに変わりはなく、人材不足のマーケットに期待しすぎると痛い目を見ます。
今回は、選考に通らない理由と解決法について、私が仕事を通して得た知見を元にご紹介していきます。

  1. 高望みし過ぎ
  2. 採用ニーズを理解していない
  3. 応募ルートがよくない
  4. 応募タイミングが遅い
  5. レジュメの出来が悪い
  6. 面接対策ができていない

高望みし過ぎ

まずよくあるのが、高望みです。
自分の現在のレベルから大きく乖離したポジションで選考を通過をすることはまずありません。

転職先ポジションの高望みは、エージェントを通しての転職が一般的になるに従い、多くなってきています。これは、自分を使って欲しいエージェントの甘言が一因です。

また、知見の十分でないエージェントや採用担当から、明らかにレベル感の高すぎるポジションを勧められたことから、自信の市場価値を大きく見誤るケースもよく見られます。

滅多にしない転職だから、アップサイドを狙いたい気持ちは分かりますが、上を狙い過ぎていつまで経っても内定が貰えなかったら元も子もありません。内定が出ないまま、いたずらに時間だけが過ぎていくことも大きなリスクなので、無理をし過ぎないキャリアップを狙うのが、逆に成功への近道と言えます。

とは言え、何事もバランスが肝心で、応募ポジションを選ぶ際は、以下の記事でもご紹介した「ちょっとした背伸び」が必要になります。

参考記事:たくさんのお見送りは理想の仕事への最短ルート

慎重すぎず、大胆すぎない塩梅については、信頼できるエージェントを探してご相談されるのが近道です。

採用ニーズを理解していない

採用ニーズを十分に理解できていない、というのも選考をなかなか通過できない主な理由の一つです。一見上記の「高望み」と似ているようですが、少しニュアンスが異なります。
高望みは、純粋に今の自分からみてレベルが高すぎるポジションへの応募ですが、ここで言う採用ニーズは、レベルではなく、採用需要の「タイプ」の話です。

極端な話、経理の採用をするのに、人事の方が来ても、選考対象にはなりません。たとえその人事の方が世界一優秀な人事であったとしてもです。
これは人事職の枠内でも同じです。例えば、ペイロールを採用しているのに、採用担当の人材が来ても、選考対象とはならないでしょう。

こんなのは当たり前に聞こえますが、意外とこれを無視して応募を繰り返す方がいらっしゃいます。
前述の「高望み」同様に、信頼のできるエージェントに話を聞いたり、JD(ジョブディスクリプション)の読み方を学ぶことが、自身に合ったポジションを見つける助けになります。

ジョブディスクリプションの読み方については、以下の記事をご参照ください。

参考記事:機会損失をしないためのジョブディスクリプションの読み解き方

応募ルートがよくない

次に、応募ルートです。
一つのポジションに応募するにも、多様な方法があります。採用企業のWebサイト、LinkedInの求人ページ、Bizreach上での採用企業からの直接スカウト、我々エージェント。

あまりに多岐に渡るため、ここではエージェントについてのみご紹介します。
※もし他の方法についても詳しく知りたい方は、直接ご質問ください。

エージェントと一口に言っても、色々あり、どこから応募するかによって書類選考通過や内定獲得の可能性が大きく変わります。
また、もっと言ってしまうと、採用企業との交渉に長け、募集ポジション以上の職位、給与での内定を引き出す凄腕エージェントも存在します。
身内の話になってしまいますが、つい最近私のチームメンバーの一人が、ある会社に法務人材を紹介したのですが、元々の職位が「Paralegal」(同社では、アシスタントではなく「Legal Stuff」的な位置付け)であったにも関わらず、「Legal Director」の内定を引き出しました。給与も採用企業の当初の予算を大きく上回ったのは言うまでもありません。

多くの方が、たくさんのエージェントを使う傾向にありますが、個人的には、厳選したエージェントを2, 3社(人)に絞って使うことをお勧めします。

応募タイミングが遅い

応募タイミングも重要です。
エージェントの仕事をしていると、「検討します」と言い、様子見に入る方が多くいらっしゃいます。私の担当している法務分野は特にその傾向が強いのですが、基本的には行動が早い方が内定を獲得できる可能性が上がります。

最近もある人気ポジションへの応募を長期間「検討」した上、応募を決めた時にはすでに手遅れということがありました。
私自身、昨年転職をして再認識したのが、採用企業と実際に話すことなくする「検討」はあまり意味がなく、実際に中の人と話して、判断材料を得た上で検討することが肝要であるということです。

ポジションへの応募での黄金ルールは、「ある程度興味があったら、まずは採用者と話してみる」です。

レジュメの出来が悪い

レジュメ(CV)の出来が書類選考に影響があるのは想像に難くないと思います。
しかし、レジュメのどのような要素が選考結果を左右するかを正しく認識されている方は多くありません。

レジュメ作成に必要以上に時間を掛ける方もいらっしゃいますが、書類通過をするためのレジュメ作成には時間は掛かりません。
基本ルールは、見やすく(凝りすぎないデザイン、長すぎず短すぎない、平易な表現を用いる)、自身のやったことを採用ニーズに合わせて簡潔に書くことです。

最も効率よく作成する方法はある程度ケースバイケースの部分があるので、個別でお問い合わせください。
今後レジュメ作成についての記事も書く予定です。

面接対策ができていない

最後に面接についてです。
面接の失敗で一番多いのは、企業研究不足でも、知識不足でもなく、「企業・ポジションへの興味を十分に示せていない」ことです。
「なぜ弊社に興味をお持ちですか?」といった質問に明確に答え、(その会社が第一志望でないとしても)それなりに説得力のある回答ができるのが最低条件ですが、残念ながらこれを満たせていない方が散見されます。

少しでも興味のあるポジションであれば何かしら思いつくはずのこうした質問で躓くのは、今は転職者に有利な市場であることや、多くのエージェントが自分を使ってもらうために利用者を褒め、転職者側に自信がついていることが原因となっているように思います。
たしかに内定を比較的簡単に得られる転職市場ですが、自分のキャリアのプラスになるような優良ポジションや、自分の身の丈 + αのポジションで内定を出すのは簡単ではありません。

ぜひ最低限の準備をして面接に臨み、望む結果を出してください。

以下に面接対策関連のリンクをご紹介します。よろしければご参照ください。

参考記事:失敗しない面接対策 – 内容対策編

参考記事:失敗しない面接対策 – 情報収集編

参考記事:Web面接対策で押さえるべき点