【転職活動の悪癖】レジュメ更新という麻薬

キャリア 転職

またレジュメ更新している。

転職中の方でレジュメ更新を頻繁にする人をよくみかけます。
お話を聞くと、「書類選考が通らなかったから、レジュメを更新している」というケースが多いのですが、元の書き方がよほどヒドくない限りは、書き直して書類通過率が上がることはほぼありません。

みなさんのお時間を無駄にしないためにも、今回は、頻繁なレジュメ更新の効用のなさと、代わりにやるべきこと、更新すべきタイミングについて解説します。

  1. レジュメ更新は時間の無駄
  2. 代わりにとるべき行動
  3. 書類選考通過率が低い場合
    まったく書類選考に通過しない場合

  4. レジュメを更新すべきタイミング
  5. 更新があった場合
    あまりにもレジュメの出来が悪い場合
    企業別で書き換える場合

レジュメ更新は時間の無駄

何かがうまくいかなかった時に、次は成功させるための対策を考えるのが人情です。受験に失敗したら、勉強。スポーツの試合で負けたら練習、と、向上心のある人は、また悔しい思いをしないためになんらかのアクションを起こします。これ自体は非常に良いことです。

では、試験における勉強、スポーツにおける練習は、書類選考においては、何が当てはまるでしょうか?
レジュメ更新?私は違うと思います。

正解は、「なにもない」です。

ガッカリされたでしょうか?
勉強やスポーツは、短時間での努力でもある程度の向上が見込めるのに対して、あなたの経歴書に、短時間の頑張りで変化を起こすのは不可能です。経歴書をより魅力的なものにするために必要なものは、長期の努力以外ありません。小手先で経歴書の記載内容や方法を変えても、待っているのは同じ結果です。

代わりにとるべき行動

では、書類選考になかなか通らない場合は、どのような行動をとるべきなのでしょうか。2パターンに分けてご説明します。

書類選考通過率が低い場合

応募10件中、1〜2件程度面接に呼ばれている場合は、個人的には問題ないと思います。書類通過率が高すぎないということは、あなたの成長に適切なチャレンジ(あなたのレベルに合ったポジション)を選んでいるというサインです。

参照記事:
たくさんのお見送りは理想の仕事への最短ルート

数が少ないにしても、書類選考に通っている会社があるのであれば、レジュメ更新に時間を使うよりも、面接対策に時間を投資し、面接を内定にもっていく確率を高めるのが得策です。

まったく書類選考に通過しない場合>

どこからも面接に呼ばれない場合です。不必要なレジュメ更新を頻繁に繰り返す人はこちらの場合がほとんどです。

元も子もないかもしれませんが、10箇所、20箇所と応募をして、まったく書類が通らないのは、ターゲットにしているポジションがあなたに合っていない以外の理由はありません。

レジュメの更新を繰り返すよりも、狙いを変えることが重要です。希望ポジションと自分のスキル・経験がフィットしているか、自分がHiring managerだったら自分を採りたいかを、レジュメを見ながらよく考え、否であれば自分にとって「内定を得られる可能性のある中で、最も希望に近い」ポジションに応募してみましょう。

やりたいことや、希望の待遇からダウングレードしなければいけないとしても、当たらない鉄砲を打ち続けるよりはベターです。現実的な転職先を選び、段階を踏むことで、目標への道が切り開けます。

レジュメを更新すべきタイミング

ここまでレジュメ更新について否定的な意見ばかり書いてきましたが、「意味のない頻繁な更新」を避けるべきだと言うだけで、更新すべきタイミングは当然存在します。

以下の三つが考えられます。

更新があった場合

当然ですが、レジュメに新たに書くべきことができたら更新するべきです。長期的に転職活動をされている方は、活動中に昇進したり、新しい案件を任されたりといったことがあります。こうしたケースは、すぐにレジュメ更新するべきです。

あまりにもレジュメの出来が悪い場合

書類選考では、見やすいレジュメが最強です。時々必要以上に凝ったレジュメを作る人がいますが、よほど特殊な仕事や、変わった採用者でない限り、「シンプルイズベスト」です。

現在のレジュメが見づらい場合は、次の応募前に更新するべきです。お持ちのレジュメが見やすいかどうかは、転職エージェントに意見を聞いてみるよいいでしょう。

企業別で書き換える場合

レジュメに更新すべき内容がなく、見栄えも悪くない。それでもレジュメを書き換える意味があるのは、応募企業ごとに書き換える場合です。

例えば法務職一つとっても、会社によって、M&A経験を重視していたり、コンプライアンス的な対応を重視していたりと、それぞれ異なります。そこで、応募企業によって、経験を書く順番を変えたり、関係ないスキルの行を消したりという対応をすることが効果的な場合があります。

毎回ゼロベースで作るのは大変なので、網羅的なレジュメを作成した上で、それを元に編集するのがおすすめです。

いかがでしたでしょうか。
転職でなかなか書類選考に通らないと、「なにかをやりたく」なって、レジュメ更新に時間を使いがちです。しかし、何千という転職者の方とお会いしてきて、それで成功した例を私は知りません。

レジュメ更新は簡単にできる作業なので、「何かやっている感」を得られます。しかし、これは心理的なワナです。意味のない行動で時間とエネルギーを無駄にせず、現実をありのままに見た上で、正しい行動を起こすことが、あなたの望むキャリアへの最短ルートです。