【最新】法務・コンプライアンス最新転職マーケット – 2022年1月

キャリア 転職

あけましておめでとうございます。
今回は、法務・コンプライアンス領域の最新転職マーケットについて解説します。
相変わらずコロナによって日常生活が制限されていますが、転職マーケットへの影響は少なく、活発に動いています。
転職を考えている方もいない方もキャリアプランを考える上でご参考にしていただければ幸いです。

  1. 転職マーケット概観
  2. 法務、コンプライアンス共通
  3. 法務
  4. コンプライアンス

転職マーケット概観

昨年2月に同様の記事(参照)を書いた時と比べて転職マーケットは、すっかりニューノーマルに落ち着いたように見えます。採用数は平時と同様で、コロナ初期は少なくっていた「日本に新規参入する外資企業」の採用も数が戻ってきました。

今後新たな株による大規模なパンデミックが起これば話は別ですが、現在コロナを理由に転職活動を控える必要はないように思います。

法務・コンプライアンス共通

法務・コンプライアンス双方に共通して、昨年同様スタートアップの採用が目立ちます。また、最近は日系大手によるジョブ型の採用が非常に多くなってきています。今までは外部からシニアレベルを採用するなど考えられなかったような企業で部長レベルを外部から採用したりと、「本当は日系で活躍したいけど、新卒贔屓があるから」と諦めていた方には朗報です。

これに加えて、コロナ後に一番回復の遅かったシニアレベルの採用が平時水準に戻ってきたことも見逃せない点です。ほんの1年前までは、コロナ禍の先行き不安からかシニアポジションが空席になったまま新たな採用をしないことがよくありましたが、最近はそうしたケースは稀になってきました。

最後に、今法務・コンプライアンスポジションに求められる人材像ですが、端的に書くと、「コミュニケーション能力があり、事業の本質を押さえ、英語を使え、テクノロジーの知見がある(IT業界に限らず)」です。
コミュニケーション能力と、事業の本質を押さえているという点は、ざっくりし過ぎていてわかりづらいと思いますが、実は他の二要素以上に採用側にとって決め手となっています。
以前書いたインハウスロイヤーに求められるスキル【法律以外】という記事の内容が法務・コンプライアンス職全般にそのまま当てはまるので、よろしければご参照ください。

以下より法務・コンプライアンスそれぞれの採用トレンドについて解説していきます。

法務

法務は、相変わらず企業での採用が活況ですが、ここ1年ほどで非常に目立っているのが、Data Privacyの採用です。業界問わず、最近の採用キーワードになっており、必ずしも経験の有無問いません。今年募集のあったいくつかのポジションは、Data Privacy特化であったため、「経験範囲が狭くなる」と、二の足を踏まれる方も見られましたが、基本的にずっとData Privacyをやっていただくことを期待しているポジションは少ないため、思い切って飛び込んで経験をつけることで、今後つぶしが利くように思います。直接経験なしでもちゃんとした会社でData Privacyのポジションに就くことができるのは恐らく今だけです。

採用をしている業界は、去年の今頃とは異なり、ITと製薬の二人勝ちということはなく、まんべんなく多様な業界で法務を募集しています。金融は例外ですが、法務では業界を跨いでの移動も珍しくなく、また、より一般的になってきているため、「○○が流行っているから」ではなく、本当に自分の興味のある分野を選択することが満足のいくキャリア形成につながります。

法律事務所の採用も堅調ですが、企業での採用ほどの数はありません。また、企業での採用と比較すると、退職者のリプレイスメント採用が目立ちます。
採用が多いのは、General CorporateやM&Aですが、競争は激しいです。一方、採用の少ない領域(Capital Marketsや不動産投資など)は、比較的ライバルは少なく、スムーズに決まります。

コンプライアンス

相変わらず金融と製薬/医療機器業界(規制業種)での採用が目立つコンプライアンスですが、非規制業種での採用数が増加中です。

非規制業種での採用は、以前にも書いたInformation SecurityなどのIT絡みのコンプライアンスや、コンプライアンス体制の整備など、幅広い業務に対応できる包括的なスキル・経験をお持ちの方が好まれます。
他社コンプライアンスからの転職はもちろん、法務や監査、経営企画など様々なバックグラウンドから採用されています。

また、Fintechでの採用は、金融庁や関東財務局などregulatorの対応をするコンプライアンスに加え、AML(アンチマネロン)の採用需要が非常に高くなっています。これは、FintechにPaymentサービスが多いことが理由です。
銀行などトラディショナルな金融機関から見えないトランザクションが増えたため、仕事に飽き、新しいことを求めてFintechに移られる方が増えています。

以上、法務・コンプライアンス領域のジョブマーケット情報についての最新トレンドでした。
採用トレンドは、職能レベルや、業界などによっての多様化が進んでいるため、上記は飽くまでも大局観です。
個々人の経験や嗜好などで、知るべきトレンドも違ってきますので、個別でのご相談を希望される方は、お気軽にお問い合わせください。