複数企業から引っ張りだこのあなたへ【失敗しない内定選び】
複数の内定から自信を持って1つ選ぶことができますか?
コロナ禍でも複数企業から内定を獲得する人はめずらしくありません。
しかし幸運にも複数の選択肢を得た人たちは1つに絞れないという贅沢な悩みを抱えることになります。
今回は複数内定が出たときに選ぶプロセスについて解説します。
タイミング
複数内定からの選択について論じる時、2つのタイミングについて考えるのが重要になります。順番に解説していきます。
内定のタイミング
あなたが複数の内定を獲得できる優秀な方であっても、内定のタイミングが合わないと条件などの比較検討ができません。複数の選考が進んでいる場合は、なるべく内定タイミングを合わせるように努めましょう。
内定の受諾/辞退を回答するのは1週間以内の会社が多いため、できるだけ多くの会社の最終結果が1週間の範囲内に出るようにする必要があります。選考が遅い会社には、他社で内定が出そうであると伝えるなどして選考スピードを考慮してもらうのが有効な手段です。
また、応募する際にはなるべく小出しに応募せずに、興味のあるところは複数一気に応募することも、内定タイミングを合わせる上で重要です。
辞退のタイミング
期限ギリギリまで引っ張って回答しても印象が悪くならないかよく聞かれます。結論から言うと、回答期限の最終日に返事をしても問題ありません。
ただし、他の選考の内定が回答期限内に出る見込みがある等の特別な理由がない限り、回答期限最終日を待たずに承諾の旨伝えることをお勧めします。
判断
次に、回答期限の重なった複数の内定が出そう(複数の内定を比較できそう)、または既に複数の内定が出ている場合、どのように判断していくかご紹介します。
できれば内定が出る前、なるべく早くから始めた方が良いです。理由は後述します。
判断項目の整理
まずは判断項目を書き出して整理しましょう。
一般的な例を以下に書きます。必要に応じて他にも自分が重視することを加えてください。
私の例で言えば、私服通勤して会社でスーツに着替えて良いか、が非常に重要な要素です。一般的ではない要素でも、自分が大切にしているものはリストに入れましょう。
- 仕事内容 – 自分のやりたいことか
- 得られる経験 – 自分の中長期目標に合致するか
- 通勤 – 通勤が便利か
- 同僚 – 一緒に働きたい人たちか
- 給与
内定の出た全てのポジションでこのような項目とそれに対する自分のコメントを書き出し、比較しましょう。
PC上でも紙でも書き出してしまうことで脳のメモリが100%判断に使えるのでお勧めです。
言語化できない判断基準
直感的な印象で、なんとなく「いいな」「いやだな」と思う感覚も大切にしましょう。
上記で作成したリスト上は良さそうな内定でもなんとなく気が進まないところや、またはその逆があったらそれも判断材料に落とし込んでください。
直感は脳が得た情報を理性で意味付けできていないだけのものだと思っています。外れることもありますが、無視するべきものではありません。
他者からの情報
意思決定をする上で、人の意見を聞くのは重要ですが、その際は注意が必要です。
想定される「他者」についてそれぞれ以下を押さえた上で意見を参考にすると良いと思います。
- 友人(あなたが内定を得た会社で働いている)
- 友人(あなたが内定を得た会社で働いていない)
- 両親・配偶者
- エージェント(あなたを紹介した)
- エージェント(あなたを紹介していない)
- インターネット(会社の口コミサイト、匿名掲示板など)
会社の「中の人」なので、かなり信頼をおける情報を得られます。一方でその友人があなたの入る職種・チームで働いていない場合は注意が必要です。職種・チームによって別会社のように環境が異なることはよくあります。
あなたのことを思って話してくれることは間違いないものの、そもそも彼/彼女の持っている判断材料が十分でない/誤りのある可能性が低くないため、意思決定の決め手にするのは危険です。
「友達の友達が働いているのを聞いた」や「ネットで見たんだけど」などの情報ソースだったら信頼性に乏しいと思います。
安定性に強い比重をおいた助言になる可能性が高いです。間違いではないものの、そのことを踏まえて参考にすると良いと思います。。
中には自分の利益のために嘘をつく人もいるの要注意です。もし人として信頼でき、且つ経験もある人であるならば、非常に有益な情報ソースなので、人の見極めが重要になります。
あなたを紹介したエージェントと同様、自分の利益のために嘘をつく人もいるで要注意です。(あなたが内定を受けると、今後そのエージェントはしばらくあなたを紹介できなくなるという不利益)
上記同様に経験があり、人物がしっかりしていたら良い情報ソースになります。
以下3点に留意する必要があります。
不満を持つ人しか書かない – その会社に満足している人がわざわざ良いことを書きに行くと言う話はあまり聞きません。ネガティブ情報に強いバイアスがかかっていることを踏まえた上で参考にする必要があります。
あなたに内定が出た職種の人が書いていない可能性がある – 例えばコンサル会社なら8〜9割の社員がコンサルタントなので、書き込みの大半は彼らのものです。しかし、あなたの内定が人事であった場合はこれらの書き込みは会社全体の大まかなこと以外、あまり参考になりません。
嘘、サクラ
短期利益の誘惑
転職活動中は近視眼的になりがちです。
例えばあなたのキャリアで求めるものがお金のみだったとして、以下の2つのオファーがあったらどちらを選ぶでしょうか。どちらも現職からアップしているものとします。
オファーA 1500万円
オファーB 2000万円
ついついオファーBに目がいきそうですが、オファーAで得られる経験の方が長期的により多くの富を運んでくれるなら、両オファーの先まで考慮した上で決断する必要があります。
※もうすぐ定年であったり、今すぐお金が必要な場合は除きます。
これはお金以外のことでも当てはまるので、内定を選ぶときは冷静になって、「次の次」以降も判断材料にしましょう。
熟考のトラップ
転職は人生において大きなイベントなので、内定を選ぶときはよく検討しますよね。
それ自体は良いことなのですが、正しい決断をするためにかける時間には長すぎず短すぎない適切なラインがあります。
もしどの内定を取るか検討する期間が無限にあったとして、2,3日考えた場合よりもスマートな選択ができるでしょうか?おそらくそうはなりません。複数内定を受けた人の選択プロセスを多く見てきましたが、適切な熟考ラインを超えて長く「考えすぎた」ため、あとから自身の選択に後悔しているケースが少なくありません。
あまり良くない例かもしれませんが、テストの選択問題で、ある程度考えて「Aだ」と思った後で、さらに考え「いやいや、Bだ」「待てよ、Cかも」となって最後に時間がなくなり混乱したまままその時点で正解と思った選択肢を選び、結局はAだったというのに似ています。
考えても考えすぎることはないのが確率など、完全に数字だけで扱える世界だけだと思います。数字に落とし込めない要素が多い内定受諾の選択は、適度な期間考え判断する方が、慎重になりすぎるよりもリスクを抑えられると、多数の例を見て確信しています。
逆締め切り効果
締め切り効果をご存知ですか?
期限を明確に設定することでタスクに取り組む集中力が上がり、だらだらやることを防ぐ効果です。
ただ、ディシジョンメイキングにおいては、期限が近くなるとプレッシャーが原因で判断力に悪影響が出ることがよくあります。
このため、内定が出る前の選考段階から応募企業の比較を並行して行い、自分の考えの基礎をつくった上で、いざ内定が出た時に意思決定に及ぼす回答期限のプレッシャーを極力抑えるのがおすすめです。
いかがでしたでしょうか。
毎日数人ペースで5年以上いろいろな方とキャリアについてお話してきた上で、自分なりに出した結論です。
今後さらに勉強していき、新しい気づきがあれば随時アップデートしていきます。
現在複数内定がある、または複数の企業で選考を進まれている方は是非参考にしてください。