たくさんのお見送りは理想の仕事への最短ルート【内定獲得率100%の人は要注意】

キャリア 転職

企業に応募してお見送りされたことはありますか?

就職活動や転職活動をしたことがあれば、一度や二度は経験のある人がほとんどなのではないでしょうか。

日々転職マーケットを見ていると、何件も立て続けに見送られている人が珍しくありません。その一方、百発百中で内定を獲得するような人も稀にいます。

後者の人が前者より優秀ということでしょうか?
実は、後者の人は「十分な挑戦」をしていないだけかもしれません。

  1. ちょっとした背伸び
  2. 十分な挑戦
  3. 挑戦レベルの狙いどころ
  4. 背伸びポジション内定獲得のコツ
  5. 書類選考
    面接
    内定稟議

  6. まとめ

ちょっとした背伸び

転職活動などで、求人を見ていて「このポジションいいなあ。だけど今の自分にはちょっと難しいかな」と思ったことはありませんか?
ある程度以上キャリア志向の強い人であれば、希望のポジションは今の自分よりも少しシニア目な「チャレンジングなポジション」で「楽勝で内定獲得できるポジション」ではないように思います。

私は転職にはちょっとした背伸びが重要だと思っています。今の自分には少し早い、少しチャレンジングなポジションに少し背伸びをして挑戦(応募)することで「現時点で得られうるベストなポジション」に就くチャンスが生まれ、ひいては「今は絶対に手の届かない理想の仕事」に少し近づくことにつながります。

十分な挑戦

背伸びは自身と高い目標との距離を少しだけ縮めてくれますが、快適な体勢とは言えません。
少しチャレンジングなポジションへ応募することも同様で、安牌を切るのとは違い、たくさんお見送りされ、精神的に疲れます。
しかし、これをキャリアビルディングに必要な痛みと割り切り、自分がギリギリ募集要件に届かないようなポジション(且つ自分のやりたいこと)に「十分な挑戦」をしないと、後悔することになるでしょう。

挑戦レベルの狙いどころ

背伸び推奨、とは言え無謀な挑戦は時間の無駄です。
応募のターゲットは、「自分が普通に内定を取れそうなレベルの半段から一段上」です。

具体的には、書類選考に通過するかどうかを判断基準にすると良いでしょう。
職種や業界などによって数字にばらつきがあるため、一概には言えませんが、例えば、20件も30件も応募して、書類すら通らないのであれば、レベル感を落とす必要があります。面接まで進めているのであれば、注力するべきは面接対策で、ターゲットレベルを落とす必要はないでしょう。

面接対策については以下をご参照ください。

面接対策(情報収集)
面接対策(一般)
Web面接対策

キャリア・転職支援の一環として個々人に合わせた面接アドバイスもしていますので、お気軽にご相談ください。

背伸びポジション内定獲得のコツ

「少しチャレンジングなポジション」で内定を獲得するにはどうしたら良いのでしょうか。

内定までの三つの関門について、それぞれの対策をご説明します。

書類選考

背伸びをしたポジションの場合、書類選考は最大の関門です。
理由は、書類選考段階が、採用側にとって一番「気軽に」落としやすいからです。

基本的に書類選考は機械的です。目の前には多数の応募書類が積まれ、一つ一つ熟読する余裕はありません。ある程度人数の絞られる面接ステージ以降と比べると、書類選考中、あなたは「人」としてよりも、「データ」として見られていると思った方が良いかもしれません。
そして採用側が、書類選考中に候補者の「未来の成長可能性」に思いを馳せることは期待しないようが良いでしょう。

書類選考の段階において、個人でできることはあまりありません。読みやすいレジュメを用意することは当然重要です。が、今回は「背伸びした」ポジションへの応募を想定しているので、レジュメで経験を盛っていない限り、選考企業からは「ちょっとこの人には荷が重いな」と思われるのがオチでしょう。

そこで、有効なのが転職エージェントの協力です。私たちは、レジュメ提出と併行して、様々な手段であなたと企業の面接を設定するため尽力します。他社の実例を交えてのピッチ、採用要件から離れて企業の課題のヒアリングを元に会うべき人材像を割り出すためのコンサルなど挙げればキリがありません。

これが「背伸びポジション」の書類通過の可能性を劇的に上げるとは言いませんが、エージェント利用を正当化するに足る有効性はあるでしょう。

2記事に1回くらいの頻度で「エージェントを使うべき」と書いていて少し自己嫌悪に陥りますが、そう信じていなかったらとっくに廃業です。
私以外でも信頼のできるエージェントを見つけ、話をすることを強くお勧めします。

面接

面接まで進めたということは、選考ポジションはあなたにとって無謀な挑戦ではないということです。
また、書類選考段階と異なり、転職エージェントだけでなく、あなた自身も自分で自分をアピールできる機会を得たということになります。

会社によって面接回数や、誰と面接するのかに違いがありますが、通常最も重要なのは、「decision maker」(採用の決定権がある人物)と「直属の上司」との面接です。
Decision makerの意見は、現場の意向に強く反映されるので、最も近い距離で働くことになる、上司の面接もdecision makerとの面接と同じくらい重要です。
※直属の上司がdecision makerであるケースもあります。

背伸びポジションでの面接は、「募集要件とあなたの経験との間のギャップ」と「ポテンシャル」の二点が肝です。
これらの点で相手を納得させるには、まず「採用企業が今抱える課題」と「この採用によってそれをどう解決したいか」を聞きます。(「採用要件」を聞いてはダメです。「採用要件」と「課題」の二つは明確に違います)

そして、以下のような点に注力して面接を進めていきます。

  • 「あなたのスキル・経験を使って、その企業の課題に対してどのようなソリューションを提供できそうか」
  • 「募集ポジションに対して自分の足りない部分について、どのような関連/隣接するスキル・経験で補えるか」(例、マネージメント経験が要件としてある。自分にはないが、特定のプロジェクトで人をまとめた。または、公式の上司・部下の関係ではない後輩のトレーニング・指導経験など)、

さらに、「募集ポジションが必要とするものと現在の自分との間にあるギャップをどのように埋めるかの計画」なども話せれば言うことありません。

これらのことを、会話の中で完璧に組み立て説明することは至難の業ですが、まさにそうであるから「背伸び」なのです。

内定稟議

面接を全て終え、面接官全員が採用の意向を示したとしましょう。
しかし多くの会社において、そこから最終決定のための稟議に入ります。decision makerは意思決定者ではありますが、他のステークホルダーの反対を封殺して内定を出すことは通常しません。

内定稟議において応募者個人ができることはほとんどありません。

ここでまた転職エージェントの出番になります。エージェントが企業の関係者全員を黙らせて内定を出させる、ということはできません。しかし、書類選考時と同様にマーケットデータや、他社の例を使ったりして説得を試みることは可能です。
また、面接後カジュアル面談を設定し、追加のアピール機会を活用するというオプションもあります。

まとめ

今回は、転職時には少し背伸びをしたポジションを狙った方が良いというお話でした。多くのお見送りが伴いますが、それを甘受する価値はあるでしょう。

「少し背伸びしているけど、内定獲得の可能性があるギリギリライン」の見極めは、いくつかチャレンジングなポジションに応募して、書類が通るかを参考にするのがおすすめです。面接まで進めるのであれば、内定の可能性はゼロではありません。

背伸びポジションの対策において、「書類選考」と「内定稟議」の部分は転職エージェントの力を借りるのが賢明です。「面接」は、前述の二つに比べ、個人でできる範囲も多くなりますが、エージェントとの二人三脚も捨てがたいです。

前回の複数応募についての記事にも関連しますが、せっかく一生に何度もない転職機会なのだから、大いに実験して、後悔のない転職をするべきと思います。

皆さんのキャリアビルディングのご成功を願っています。