人材獲得競争に勝つために取り組むべき4つのこと【失敗例から学ぶ】

採用

「コロナ禍で求人数が落ちているはずなのに良い人材を獲得できない」
「いつもオファー段階で他社との競争に負けて良い人材が取られてしまう」

コロナの影響でまだ採用をストップしている企業もありますが、求人数も増えてきており(詳しくはこちら)まだまだマーケットは求職者に有利です。

このため、去年までと同様に人気の人材は一人で複数のオファーを得ることも珍しくなく、人材獲得に苦労されている企業も多く見られます。

人材獲得競争に勝つために学ぶ 4つの失敗例

ここ2〜3年だけで見ても、多くの企業がどんどん新しい採用戦略を取り入れられ、採用活動のレベルが上がってきているように思います。裏を返せばあなたの良いアイディアは他社も取り入れる可能性が高いということです。

それとは逆に、人材獲得における失敗例は5年以上あまり変わっていません。そこで今回は人材獲得競争におけるよくある失敗を紹介し、そこから競争優位を勝ち取る提案をご紹介します。

募集ソースを広げすぎ

募集の手を広げすぎて逆効果になっている企業を多く見かけます。

各社、ウェブ広告、ダイレクトソーシング、エージェントなど、良い人材を獲得すべく、いろいろな方法(各方法については、中途採用で若手英語人材を効率よく採用する方法 – 正社員参照)を取り入れられていると思いますが、複数のソースを使う時は組み合わせ方、対象としている人材のペルソナ、ソースの数を考えないと求職者に刺さりません。また、たくさんのソースの管理(大勢のエージェントのハンドリング含む)は採用担当者の方の負担にもなります。

いろいろな機会に目にする求人は、必死になりすぎて何か裏があるのじゃないかと求職者に思われがちです。

以前、手広く募集をかけ過ぎて求職者に応募を避けられていた会社が、採用ソースを一本化したいという理由で私にリテイナーサーチを依頼したことがありました。私は嬉しかったですが、こうなる前に募集方法の数の管理は徹底するべきです。

候補者のアトラクトの失敗

企業が候補者を選んでいるとき、候補者もまた企業を選んでいます。
採用側がそのことを忘れ、候補者に自社及びポジションに興味を持ってもらえるように働きかけることを怠るとオファーを出しても選んでもらえなくなります。

競合他社も欲しがる良い人材を獲得するための競争に勝つには、初動が大切です。候補者へのアトラクトを始めるのに早すぎることはありません。

たとえば、カジュアル面談(選考とは別の会社やポジションを理解してもらうための面談)の実施、JDの精査、会社・ポジションの魅力の洗い出し、他社との差別化、使うエージェントへの情報共有ならびにマーケット情報の吸い上げ。多くの採用担当者がやられていると思いますが、それぞれの質を上げることで飛躍的に人材獲得競争の勝率が上がります。

選考過程が煩雑

会社によって仕方がない場合もあるので、参考程度にしてください。

たくさんの提出書類、筆記テスト、アンケートへの回答、対面面接必須、企業側の指定日でしか面接ができない等、候補者の負担が増えれば増えるほど良い人材の獲得が難しくなります。

一事が万事、じゃないですが、候補者の心理としては、「こんなことを要求する会社は入ってからも面倒なことが多いだろうからやめておこう」というものです。

なるべく選考に必要なものを削ぎ落とし、シンプルにするのがベストです。様々な事情でどうしても他社に比べ、候補者にお願いするものが多い場合、選考過程の後半で依頼することをお勧めします。
候補者側のコミットメントは通常選考ステージを進めば進むほど高まるので、初期に依頼するのに比べ、あなたの会社への興味を失う可能性が低くなっているはずです。

私も採用をするので、採用側の都合としては選考の初期にいろいろお願いしたいのはわかりますが、ここをガマンすることで、結果的に、より少ない時間・労力で良い人材を獲得できます。

※特に対面面接については、コロナ禍で1次面接から対面必須という会社に対する候補者からの評価は著しく低くなっています。採用に成功されている企業の多くは、最終面接のみ対面や、オファー後の面談(選考でない)で実際にオフィスに来てもらうといったやり方を採用されています。

選考スピードが遅い

選考スピードが遅いと、1.選考が終わる前に他社内定の回答期限がきて、そちらを受諾されてしまう。2.自分はバックアップ(採用企業にとって第二希望以降、または他のもっと良い人がくるのを待っている)扱いなのではないかと思い、興味を失わせる。という2つの問題が起こります。

より良い人の応募を待って時間稼ぎをするケースの多くは、結局バックアップとして待たせていた人が一番良く、その人で選考を再開しようとしたら既に他社に決まっていた or 待たされ過ぎて選考を進める気がなくなっていたというオチになっているケースが多いです。

逆に選考スピードが早い会社は、候補者側に「自分が評価されている」という実感を与えやすいため、候補者のアトラクトという面で非常に有利です。
最近も複数社でオファーを受けた大手法律事務所の弁護士の方が、選考スピードが早く、自分を本当に必要としてくれている感じがしたからという理由で待遇面で劣る会社の内定受諾を決めていました。

いかがでしたでしょうか。
いろいろと事情があり、「どうしようもないんだよ」ということもあると思いますが、そういうときはエージェントに相談してみてください。いろいろなケースを見てきている人であればあなたの会社でできる範囲で何かアイディアをくれるはずです。

今回の記事が何かの参考になれば幸いです。