【最短時間で面接準備】よくある質問、意図、答え方

転職 面接

今回は面接対策において重要なポイントである「よくある質問」について紹介することにしました。

週に平均5, 6件の面接準備のサポートを8年間 = 単純計算で2,000件以上してきた経験からよくある質問と、その意図、そして答え方を紹介します。
※質問の意図や評価の仕方は面接官によって異なるため、最大公約数的に解説しています。

よくある質問集

  1. 「自己紹介(今までの経験)をしてください」
  2. 「なぜ弊社に興味があるのですか?」
  3. 「転職を考えられている理由はなんですか?」
  4. 「弊社に入って何がしたいですか?」
  5. 「これまで勤務した会社の転職理由を教えてください」
  6. 「今までにお仕事で達成されたことについて教えてください」
  7. 「過去の失敗体験について教えてください」
  8. 「仕事において大切にしていること(心がけていること)を教えてください」
  9. 「現在仕事で直面している課題について教えてください」
  10. 「今回のポジションで必要な〇〇のご経験がないようですが大丈夫ですか?」
  11. 「弊社以外に受けている企業はありますか?優先順位も教えてください」

「自己紹介(今までの経験)をしてください」

面接は十中八九この質問から始まります。

質問の意図

CVに書いてあることのおさらい、説明時の要約能力と、人となりを見ています。
また、この後の面接でのネタ探しのため、気になる内容(良い意味でも悪い意味でも)がないかにも耳を傾けています。

回答の仕方

回答は長すぎず、短すぎずを意識してください。
自分の職務経歴書に書かれていることを要約して軽く流すくらいがベストです。また、昔の経歴から現在に近づくに連れ、説明をより詳細にしていくのがセオリーです。この際、応募先企業/ポジションに対して売りになると思う経験・スキルについては少し重点的に話すとよいでしょう。この先の面接官の質問をあなたの「アピールポイント」に誘導する意味ことができます。

「なぜ弊社に興味があるのですか?」

または、以下のような形をとることもあります。
「なぜこの業界に興味があるのですが?」
「なぜ今回の募集ポジションに興味があるのですか?」
業界、会社、ポジションのいずれかに対する興味を聞かれることは非常に多く、面接において最も重視されている質問(スキル、経験はある程度書類選考でスクリーニング済みのため)の一つです。

質問の意図

あなたのコミットメントの高さ、志向、性格のフィット感などを見ています。
この質問に対する回答がしっかりとしているとあなたに対する評価はうなぎのぼりです。

回答の仕方

なぜ興味があるかについて正解はありません。ですので、第一に熱を持って答えてください。感情は伝搬すると言います。熱意があることが相手に伝われば、この質問におけるあなたへの印象は良好なものになるでしょう。

また、できるだけピンポイントで当てはまる理由を挙げるのがベターです。例えば「なぜ弊社に興味があるのですか?」と聞かれ「IT業界に興味があるからです」は該当範囲が広すぎ、且つ浅いためNGです。

面接本番で困らないために、なぜ自分が興味を持ったか予め考えておきましょう。それには、応募先企業についてのウェブサイトを見たり、業界について調べたりするのも効果的です。また、個人を相手にした製品・サービスを展開している会社であれば、製品を買ってみたり、アプリをダウンロードして触れてみるのもアリでしょう。

私自身面接する立場ですが、この質問に対してしっかりとした答えを用意している人が少ないことに驚きます。だからこそ少しの準備と意識で他者に大きく抜きん出ることができるボーナスタイムになります。

「転職を考えられている理由はなんですか?」

「今の会社を離れたい理由を教えてください」と聞かれることもあります。
最も面接アドバイスを求められることの多い質問です。特になんらかの事情があって現職の在籍期間が短い方や、転職回数が多い方は頭を悩ませるのではないでしょうか。

質問の意図

転職理由が妥当かを見て、「自社で長期間活躍してくれるか」、と「(飽きっぽい、周囲とすぐ問題を起こすなど)人物面で問題がないか」を確認しています。

回答の仕方

大前提として嘘はいけません。大勢の候補者を見てきている面接官は嘘を見抜けないまでも、「怪しい」という感覚を掴むことに長けています。そしてそう感じさせた時点であなたは大きく減点されています。面接においては、「疑わしきは罰す」です。

短期間での退職や、たくさんの転職の事実を塗り替えることはできません。それについて言い訳がましくならずに、あるがままの理由を話してください。そして、あなたが今回の転職後長く活躍する強い気持ちがあることを何故そう言えるのかという理由とともに伝えることが最善策です。

また、前職や現職の愚痴を言うのは避けましょう。仮に大きな不満があることが事実だとしても、7割引くらいで伝えた方が良いです。理由は、話者と聞き手の感じ方の相違です。特に不満において、話者は相手にわかってもらいたいので、必死で「いかにひどい経験をしてきたか」を伝えようとします。その逆に面接の場において聞き手は、話者の発する小さい信号も見逃さないようにしているため、ちょっとした愚痴でも気になります。このため、仕事の不満については、ほんの少し話すだけでもあなたの意図している以上に伝わります。なるべくネガティブな話は慎み、「なぜ辞めたいか」よりも「転職したいか」といった前向きな話に比重を置きましょう。

「弊社に入って何がしたいですか?」

漠然とした質問に感じる方が多く、意外と上手く答えられない質問です。

質問の意図

キーポイントは主に三つ、自発性、あなたの仕事への意欲、それに志向です。
その会社に入った後の自分をイメージして、どう貢献しようとしているかを自発的に考えることができているかと、そもそも自社があなたにとって良い選択なのかを見ています。

回答の仕方

まずは、自分の「できること」と「やりたいこと」を準備する必要があります。自分の経験、能力ベースで何が「できること」なのかを考え、それをベースに飛躍しすぎない範囲で「やりたいこと」を考えます。(「できるのは労働法だが、プログラミングがやりたい」などは飛躍しすぎていてNG)その上で、まずは「できること」で会社に貢献していきながら、慣れていくに従い徐々に「やりたいこと」(「できること」から飛躍しすぎていないことと、選考企業への貢献になることが必須)を始めていくといった答え方がセオリーです。また、その際に自分の「やりたいこと」が相手企業にとってどのようなメリットがあるかと、自分がそれに対してどのような情熱を持っているかも説明する必要があります。

絶対にしてはいけないのが、自分本位な回答です。相手企業にとってなんのメリットにもならない「やりたいこと」を話す方や、「早く部長になりたい」など相手方に懸念を持たせることを言われる方もいらっしゃいますが、まず間違いなく一発NGです。

「これまで勤務した会社の転職理由を教えてください」

転職回数の多い方は、過去の会社の転職理由も聞かれることがあります。

質問の意図

自社もすぐに辞められないかを確認しています。

回答の仕方

上記(「転職を考えられている理由はなんですか?」)の回答の仕方と同様に、嘘や愚痴は避ける必要があります。真実をベースに簡潔に答え、新しい会社では長く活躍したい旨、前向きに話しましょう。転職回数が多いと、どんな理由をもってしても面接官の懸念を完全に拭いさることはできません。しかし、後ろ向きな発言を避けるだけでも随分印象が変わります。

「今までにお仕事で達成されたことについて教えてください」

質問の意図

有能な人には成功体験があり、成功体験は人を更に有能にします。
業績の内容から自社に益のある人材かを見ると同時に、どうやって結果に繋げたのかを見ることで創造性や仕事への取り組み方を見ます。

回答の仕方

応募先企業や面接官の求めるものに合った功績を話すのがベストです。そのため事前に自身の過去の業績について列挙しておくと良いでしょう。転職を考えていない時も日々自分の達成したことについてcvに追記しておくと、いざ面接準備をする時に焦らないで済みます。(cvの更新も楽になるため一石二鳥です)

また、どうやって仕事を成功に導いたかについてストーリー形式で、なるべく数字を使い具体的に説明できるようにしておく必要があります。面接官によっては「達成したこと」の内容よりも「取り組み方」を重視します。これは過去の仕事への取り組みから、自社に入社後にあなたがどのように動くかを予見できるためです。派手な功績を選ぶことに注力するあまり、過程の説明が疎かにならないようご注意ください。

「過去の失敗体験について教えてください」

前述の質問の逆パターンです。

質問の意図

あなたのストレス耐性と巻き返し能力を見ています。
仕事に失敗はつきものです。そのため失敗しても諦めず、創意工夫によって巻き返しを図る能力が求められます。失敗してすぐに匙を投げるような人材は求められていません。

回答の仕方

ここで見られているのは、「失敗経験の内容」ではなく、「それに対してどう行動したか」です。アピールになる挽回をした失敗を選びましょう。
「失敗によって職務遂行を断念しなかったか」、「失敗を取り返すため起こした行動は妥当か、工夫が見られるか」、「今後同様の失敗がないようにどのような対策をしたか」の三点を主要ポイントとして回答をすると面接官を感心させることにつながります。

「仕事において大切にしていること(心がけていること)を教えてください」

仕事での価値観についての質問です。

質問の意図

どういった姿勢で仕事に取り組むのかや、自社との価値観のマッチ度を見ています。経歴書などに反映し辛い部分ですので、裏を返せば絶好のアピールチャンスです。

回答の仕方

正直ベースで話すことをお勧めします。自分を偽ってしまうと、まったく価値観の合わない会社に入ることになり、お互いに苦しみます。
また、あなたの回答を補足するような短いエピソードを挿入すると面接官があなたと働くイメージを持つ助けになります。

「現在仕事で直面している課題について教えてください」

質問の意図

この質問もあなたの発想力や対応能力を見る質問です。抱えている課題自体ではなく、それに対しての取り組みが選考の対象であることが多い点にご注意ください。

回答の仕方

「上司が嫌い」「会社の意思決定が遅い」などの愚痴に聞こえそうな話は避けましょう。
選択すべきは、あなた自身が動くことで解決の可能性のある課題です。例えば、「人員不足だが、新しく人を採用できない」であるとか「業務改善のプロジェクトがあるが部門間の連携がスムーズでなく、なかなか進まない」などを挙げ、それに対しての自分の取り組みを話します。

その際は、いかに「自発的に行動しているか」がポイントとなります。JD(求人票)に「Proactive(積極性)」が要件として入っているのを見たことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。「Proactive」は一般に考えられている以上に重要で、この質問はその部分をアピールするボーナスタイムです。

「今回のポジションで必要な〇〇のご経験がないようですが大丈夫ですか?」

質問の意図

あなたが未経験分野でキャッチアップできるかを測っています。

回答の仕方

企業が求める経験内容を一から十まで満たした方の応募は非常に稀です。あなたのライバルにあたる他の候補者も入社後に習得しなければいけない未経験分野が多かれ少なかれあることがほとんどでしょう。第一、面接に呼ばれている時点で最低限の足切りはクリアしているわけで、この質問に焦る必要はありません。
重要なのは、未経験分野に素早くキャッチアップできそうだと思わせることです。

以下二点に留意して、話してみてください。

1. 該当未経験分野への興味・関心の強さ
面接官は、あなたがその分野に興味があるということは高いコミットメントが期待できるという考え方をします。

2. 類似経験のアピール
未経験分野に少しでも近い経験について話し、それをとっかかりにして他の未経験者よりも早くキャッチアップできることをアピールするのも効果的です。
例:金融コンプライアンス未経験だが、オペレーションの経験がある。
製薬業界は未経験だが、同じ規制業種の金融業界での経験がある。

「弊社以外に受けている企業はありますか?優先順位も教えてください」

質問の意図

あなたを獲得するためにどの程度の競争があるか、または何があなたの興味に刺さるのか、といった点を確認しています。他社選考で後半ステージにいる場合は、自社選考も急いだり、逆に諦めてお見送りにすることなどもあります。このあたりは個人で感覚を掴むのが難しく、エージェントを使った方がうまく調整できる点です。

回答の仕方

他に受けている企業がある場合は正直に言った方が良いですが、優先順位についてはたとえその会社がビリだとしても「大人の対応」をした方が良いでしょう。例えば「まだ選考ステージの始めの方で順位付けが難しい」、や「〇〇の点は御社の方が魅力ですが、▲▲の点は他社」と言った感じです。

他社も受けているからといってあなたの評価が低くなることはあり得ません。「他も受けてて当然だよね」と考える方が大半です。もし自社以外に応募していることに負の印象を抱く会社があったら行かない方がよいと思います。

ただし、もし何十社も応募をしている場合は、少し逆サバを読んで答えましょう。

まとめ

面接でされる質問のバリエーションは無限ではありません。今回の記事にあるたった11個の質問を押さえておけば面接中に焦ることが激減するはずです。
また、質問の裏にある意図を理解することは、的外れな回答をする危険性を激減させます。ご面接準備に上手く活用し、あなたの転職活動成功の助力になることを祈っております。

今回の記事が役に立つと感じられましたら、以下の面接関連リンクも併せてご参照ください。特に二番目の「面接準備」は今回の内容と密接に結びついています。
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