非転職活動のすゝめ【転職の必要がない今だから図るべきスキルアップ術】
転職をする必要がない = ある程度現状に満足していると、ついつい漫然と日々を過ごしてしまいませんか?
慣れている日々の仕事をこなしているだけだと、新しいスキルを得ることはなく、年齢だけ重ね、相対的に自分の市場価値が落ちていきます。
しかし、逆に言えば、転職をする必要のない状況というのは、個人でスキルアップをするチャンスです。慣れた仕事であれば最短時間で終わらせるように努め、自分の時間を十分に取り、スキルアップを図りましょう。
継続して取り組める人は少数派なので、努力を続けていくだけで、相対的に他の人たちに差をつけられます。
今回は、私が日々キャリア相談・転職支援をさせていただいてる優秀な方たちの話を元にスキルアップの意義や種類、方法についてのまとめをご紹介いたします。
スキルアップによって得られるもの
スキルを上げることにより、次の2つのメリットが得られます。
現職での機会獲得
スキルアップにより、現職でより責任のある仕事を任されたり、行きたい部署への移動ができたりという可能性が高まります。代表的な例として、英語ができるようになり、海外案件を任されたり、海外赴任の候補になったりといったことが考えられます。
転職での優位性の獲得
スキルアップは当然転職マーケットでもプラスに働きます。
最近見た例だと、法務をやりながら情報セキュリティの知識を身につけた方が、ある会社の法務ポジションに応募したところ、その会社では情報セキュリティのニーズもあったため、彼のためにハイブリッドのポジションをつくり、想定していたよりも好条件で選考を進めていました。
スキルの種類
スキルアップは、必ずしも資格である必要はありません。
スキルの種類を2つに分けて、紹介していきます。
ハードスキル
会計、プログラミング、英語、エクセルなどのツールといった、能力を比較的定量的に表しやすいものを指します。
資格で示せるようなスキルもこのタイプです。
スキルと聞いてすぐに思い浮かぶのはこちらではないでしょうか。
現職でも、転職時でもアピールしやすいスキルです。
ソフトスキル
コミュニケーション能力、交渉力、自走力、リーダーシップ能力など、定量的に測りにくい能力を指します。
以前はスキルと言えばハードスキルを指しましたが、近年ソフトスキルに脚光が当たっています。
コミュニケーション能力以外のソフトスキルは、短時間でアピールするのが難しいので、どちらかと言うと、現職での評価につながりやすいスキルです。
Forbesでもソフトスキルの特集がありました。よかったらご参照ください。
スキルアップする機会
スキルアップの機会は、実務、プライベートの両方にあります。
実務
仕事中にスキルアップすることが理想です。
お金をもらって学ぶ方が得ですし、お金を払って学ぶのに比べ、習熟スピードが早いという研究結果もあります。仕事以外に時間を捻出することも考えなくていいので良いことづくめです。
英語を学びたいなら英語の会議に出させてもらう、マクロを学びたいなら普段している事務作業を自動化してみるなど、できれば実務の中でスキルアップの機会を探しましょう。
唯一の欠点は必ずしも自分のやりたいことと実務が紐づけられるわけではないことです。
プライベート
業務中のスキルアップが難しい場合は、プライベートでやるしかありません。
利点は、あなたの仕事内容と関係なく、なんでも好きなことを学べる点です。
スキルアップの方法
ソフトスキルをつけるには、人や本から学んだことを実践に取り入れるしかありませんので、以下ではハードスキルについての学習方法を3種紹介します。
それぞれのプロコンを理解した上で、あなたの目的と状況に適った手段を選んでください。
会社の同僚・友達から学ぶ
同僚や友達のように気心の知れた相手だと質問がしやすく、お互いのニーズが合えば、得意分野を教え合うこともできます。
これに加え、独学とは違い、監視効果(人の目があることにより、学習効果が高まること)に期待できる点も大きな利点です。
欠点は、ある分野に詳しい人が必ずしも教えるのも上手いとは限らない点と、都合よく自分の習得したいスキルに明るい人が周りにいるとは限らない点です。
独学
独学の利点は気軽さです。ネットで情報や本がいくらでも手に入る現代では、独学で学べないことの方が少ないと思います。私も趣味や仕事に関する勉強をするときは独学から始めます。今のところ言語以外は独学で間に合っているのでインターネットさまさまです。
独学の欠点は、続ける意思を保ち辛い点、フィードバックがない点、わからないところの質問が難しい点です。それぞれ、”周りに自分がいつまでに何を習得するか宣言する”、”資格試験受験や、周りへの発表”、”オンラインフォーラム(Quoraなど)で質問する”などの対応である程度解決できます。
スクール
英会話スクール、プログラミングスクール、TACのような資格の学校などは、体系的に学べる、一緒に学ぶ仲間ができる、いつでも質問ができる、といったメリットがあります。高いコスト、時間の自由が利かない、といった点がデメリットとして考えられますが、オンラインスクールであればそこまで気にならないかもしれません。
また、スクールに高いお金を払った時点で勉強した気になる可能性にも要注意です。
いつ時間を作る
仕事をしながらのスキルアップで大変なのは時間の捻出です。以下を参考に学習スケジュールを立てていただければ幸いです。
仕事中
上記でも述べたように可能であれば実務の中でスキルアップを図るのがベストです。実務の中で伸ばせる部分を書き出し、優先度を決め、意識して学習してみてください。普段なんとなくやっている作業も新しい視点から見ることができ、新鮮な気持ちで仕事をできるかと思います。
通勤
今は在宅勤務が増えてきていると思いますが、通勤時も学習のチャンスです。本を広げられなくてもAudibleやPodcastなど満員電車でも可能な学習方法はいくつもあります。
仕事前
多くの人にとって朝は頭が働く時間で、かつ誘惑も少ないため、仕事前に早起きしての自分磨きは効率が非常に良いです。
習慣化するまでは大変ですが、試す価値はあります。私の知っている方はかなりブラックな環境で働いていたにも関わらず、朝勉強を続けて公認会計士資格を取得していました。
仕事後
朝が弱い方は仕事後にスキルアップのための学習をしましょう。私個人は仕事後は怠けてしまうので難しいですが、オフィスの近くのスクールに通うなど、仕事の後だからこそできる学習もあります。
週末などの休日
朝は弱く、仕事後も時間を取れない方は休日にまとめて勉強しましょう。平日に学習している方も復讐などにまとまった時間を充てたりするのに休日は最適です。
長期休暇
長期休暇をとって一気にスキルアップをするのもお勧めです。特に今年は休みをとっても旅行などに行くのが難しいので、私も自分のスキルアップのために長期休暇を取って学習に充てました。やはり毎日少しずつやるよりも集中してやった方が習得スピードが早く、三歩進んで二歩下がるようなことがすくないためやる気を持続できました。
いかがでしたでしょうか。
終身雇用神話は過去のものとなり、自分で自分のキャリアを切り開いていかなければならない現在(逆に言えば自分次第で何者にもなれる)、やりたいことに必要なスキルを探し、習得していくことはこれまで以上に重要になってきています。
今回の記事がなにかのきっかけになれば幸いです。