後悔しないための複数応募【転職活動時必須】

キャリア 転職

転職活動時は、複数のポジションに同時並行で応募しましょう!

前回に引き続き、自分を棚に上げてアドバイスをするシリーズ第二弾は、転職時の複数同時応募です。

私は最近転職をしましたが、一社だけしか応募をしませんでした。結果オーライではあった(と思いたい)ものの、転職時には複数応募するのがオススメです。理由をご紹介していきます。

  1. 転職活動での応募数
  2. 複数応募のメリット
  3. 転職市場への理解が深まる
    転職市場での自分の立ち位置がわかる
    実態と期待のギャップが埋まる
    後悔するのを防ぐ
    採用企業ニーズの掘り起こしができる
    保険が得られる

  4. 複数同時応募を阻害する要因
  5. 応募先企業に失礼
    時間がない、面倒

  6. まとめ

転職活動での応募数

新卒時の就活だと何十社も応募し、その中からベストなものを選ぶのが常識なのに、転職だと一社ずつの応募(その一社への応募を取り下げたり、お見送りされたらまた新しく一社応募する)や、2,3社程度の同時応募に留まるケースが目立ちます。
興味のあるポジションがそれしかなければそれで良いのですが、人生で限られた回数しかない転職の機会を活かすには、「一定以上の興味があるポジションにはなるべく多く応募し、進めながらその中からもっとも自分に合うものを選択する」ことが重要です。

複数応募のメリット

複数応募のメリットは以下の通りです。

転職市場への理解が深まる

応募を複数することで転職市場をより広く、深く見ることができます。
転職エージェントを使う場合、エージェントが転職市場や個々のポジションの説明をしますが、「説明」(二次情報)だけではあなたの理解を促すのに限界があります。

例えば、部屋を借りる時のことを想像してみてください。不動産屋さんの説明を聞いた上で、ある程度興味のあるところは複数内見しませんか?
転職活動も同様で、最終的には自分の目で見、耳で聞くことが大切です。
転職時のポジション選びは、部屋選びと違い、人間対人間のことなので、部屋の内見以上に数をこなしたいとことです。

転職市場での自分の立ち位置がわかる

あえて「市場価値」という言葉は使わず「立ち位置」と表現しました。なぜなら中途転職マーケットには、単一の人材評価軸(人気の人材タイプは存在するものの)はなく、あなたの価値は単純に「高い、低い」で判断できないからです。強いていえば特定の採用需要に「合う、合わない」の判断になり、市場価値が高いか低いか以上に自分がどう見られているかの判断は複雑です。

複数応募をするということは、複数の視点からのフィードバックを得られるということなので、転職マーケットでの自分の立ち位置のより正確な座標が手に入ります。

あなたが思いもしなかったことを評価する企業があったり、自分の強みだと思っていたことがあまり評価につながらなかったりといった発見は、直近の転職だけでなく、長期のキャリア構築にも有用な示唆を与えてくれるでしょう。

実態と期待のギャップが埋まる

転職エージェントの仕事をし始めて驚いたことの一つに、一次面接前後での転職者の応募先志望順位の変化の激しさが挙げられます。
それだけ、一次面接を受けずして募集ポジションについての正確な判断を下すのが難しいということです。

一次面接前は保険のつもりで応募したのが、後に第一希望になる、ということもあれば、その逆もあります。
自分の期待と募集ポジションの実態のギャップを埋めた上で正しい判断を下すためには、ある程度広く興味のあるポジションに応募することが必須です。

後悔するのを防ぐ

一つ、またはごく少数のポジションへの応募で内定受諾に至った場合、「自分の判断は果たして正しかったのか」という疑問が生まれ、「もっとあちこち見ておけばよかった」という後悔に繋がることがよくあります。

よく言われるように、
「行動を起こさないでする後悔は、行動を起こしてする後悔よりもやっかい」なのです。

少しでも気にかかったポジションに対しては行動を起こすことをお勧めします。

採用企業ニーズの掘り起こしができる

前述の三つのメリットに比べて、これは馴染みが薄いのではないでしょうか?
採用プロセスとは、採用企業にとっての気づきのプロセスでもあります。何が言いたいかと言うと、あなたの応募が採用要件に変化を起こす可能性があるということです。

企業の出す採用条件とは、飽くまでも「企業が現時点で考える」欲しい人材です。それは企業側の想像の域を出ません。しかし、もしあなたの経験、スキルが企業側の気づいていないニーズを掘り起こせるものであれば、募集要件を変えてあなたに内定を出す可能性があります。

保険が得られる

現在仕事に就いていなかったり、ある程度期限を決めて転職活動をしている場合は、期限内に内定を得られるようにするための保険が必要です。
志望度が高いポジションは概して人気であったり、少し背伸びをしたものであるため、「もしダメだった場合」に備えて確度の高いものをいくつか併行して進めておくと安心です。

複数同時応募を阻害する要因

複数同時応募のメリットについては分かっていただけたと思います。しかし、それでも二の足を踏まれる方はいらっしゃるのではないでしょうか?
以下によくある複数同時応募を避けてしまう理由について紹介します。

応募先企業に失礼

「一旦応募した企業の選考を自分から断るのは失礼」
「興味が非常に高いわけでないのに応募するのは相手の時間の無駄」

このような考え方をしていませんか?
非常にもったいないです。

たしかに100%のコミットメントを持って、一社に絞り選考を進めるのは「礼儀に適っている」ように感じるかもしれません。
しかし、採用側の願いは一人でも多くの人材に会うことなので、少しでも興味があるのなら気軽に応募してほしいと思っています。選考過程で応募者に「やっぱり希望と違う」と言われ辞退されることを失礼ととらえる会社はまともではりません。

私も日々自社の採用活動をしていますが、「会わなければ始まらない」ので気軽な応募大歓迎です。

転職エージェントを通しての応募であれば辞退の連絡を入れる気まずさもありません。

時間がない、面倒

複数の選考が同時に走ると、面接時間だけでなく、管理するのにも時間が掛かるし、面倒です。
スケジュール調整だけでなく、ポジションにあったCVの準備や、面接対策など、やることはたくさん尽きません。

また転職エージェントの宣伝になってしまいますが、まさにこの点はエージェントの使いどころです。転職エージェントはポジション紹介マシーンではなく、キャリア相談、キャリアにおける判断の助けなど、幅広くみなさんのサポートをしています。
その中で、意外と忘れられがちなのが、転職活動の負担を減らすための諸々の手助けです。
スケジューリングの代行はもちろん、どうやって少ない労力で複数ポジションの選考対策(CV、面接等)をしていくかなど、能力あるエージェントの助けのあるなしで、転職者に掛かる負担は大きく変わってきます。

まとめ

転職時には少しでも興味のある会社に複数応募するのが鉄則です。(私も次回はそうします)

複数応募することで、一次情報を多く得られ、転職市場、自分の採用側からの見られ方などへの理解が深まります。また、企業と直接話すことで、企業側の需要を掘り起こし、自分専用のポジションのオープンへ繋がるかもしれません。
複数応募をしない方の中に、応募先企業への気遣いを挙げる方もいますが、実は要らぬ心配で、むしろ気軽に応募することは企業側にもメリットがあります。

複数応募に掛かる手間や時間は、転職エージェントの活用で上手く軽減しながら後悔のない転職をしましょう。