転職タイミングの考え方【キャリアに求めるものを得るために知っておきたいこと】

キャリア 転職

ベストな転職のタイミングはいつかと考えたことはありますか?

何度も転職を繰り返すべきではありませんが、職を変えることがあなたをキャリアゴールに近づけることもあります。限られた転職回数で効率よく目標を達成するためには、ベストな転職タイミングを知ることが大切です。

今回は、どのようなタイミングで転職をするべきかについてご説明します。

最初の転職

結論から言ってしまうと、キャリアのどの段階で転職するべきかは、個々人で異なるため、28歳、42歳、46歳で転職すると良いですよ、みたいに単純には決められません。

ただ、最初の転職と最後の転職は別です。
最初の転職は20代後半から30代前半をお勧めします。社会人としての立ち振る舞い、仕事の進め方などが十分に身についていながらも、現職の色がつきすぎておらず、採用する側にとって最も魅力的に映るためです。

最初の会社・仕事がどうしても合っていない場合は、これよりも早く第二新卒枠で移るのもありですが、通常の転職枠とは違い、それまでの経験が評価の対象となりにくいため、もったいない感じがします。

それとは逆に30代中盤以降ではじめて転職する場合は、遅くなればなるほどあなたの転職先に順応する能力に対し懸念を持たれるようになる(参照)ので、タイミングには注意が必要です。

日系企業には新卒じゃないと就けないポジションがあり、それがあなたの目標であれば、当然一生転職するべきでなく、この記事を読むのは時間の無駄になります。

まったく違う仕事をするための転職

「営業をやってきたけど、どうしても経理畑でキャリアを積んでいきたい。」
「メーカーで働いてきたけど、どうしても金融にいきたい。」

このように自分のやりたいことをやるために、大きくキャリアシフトする必要があり、かつ現職での実現が難しい場合は転職タイミングです。

ただし、失敗のリスクが大きいので、こうした理由で転職するのは、理由に「どうてしても」がつくときだけにしてください。
業界を変える場合は同じ職種で転職する限り、キャリアの連続性がありますが、「営業から経理」のように職種を変える場合は、あなたのレジュメに大きなインパクトがあります。職種を変えてみたけどやっぱり合わないからまた戻るというのはかなり不格好に見られるので注意が必要です。

必ずこうなるわけではないですが、以下の三つを受け入れる覚悟が自分にあるか確認し、それでも絶対と思ったときは思い切って動きましょう。

-年収が下がる
-職位が下がる
-今までの経験を正当に評価されない

経験を広げるための転職

法律事務所で働いてきた弁護士が、企業側で経験が積みたい場合や、ウェブページを作ってきたエンジニアがアプリケーションを作ってみたい場合など、今までやってきたことを活かしながら経験の幅を広げたいというタイミングがキャリアのどこかであると思います。

基本的には転職カードを使わないでなんとか経験の幅を広げるべきですが、それができない時は良い転職タイミングかもしれません。

転職にはポジティブな転職(キャリアアップ)とネガティブな転職(現職への不満など)がありますが、これは完全に前者で、あなたの転職回数が極端に多くない限りは、キャリアにプラスになる可能性が高いです。

上が詰まっている時の転職

あなたがどんなに実力と実績を持っていても、ポストが空かないとどうにもならないポジションがあります。
すぐに短気を起こして辞めるのはお勧めできませんが、転職は一つの選択肢になります。

逆説的ですが、あなたの上司に能力がない場合、そのポストが空く可能性が低くなることがあります。彼/彼女は必死でそのポストにしがみつきますし、実力がなくても要職に残り続ける術は、実力主義のイメージがある外資でもたくさんあります。

特にそうした場合は転職による解決を図るのはありです。

ライフステージが変わった時の転職

結婚、出産、子供の進学などのライフイベントによって人生の優先度が変わる時は、転職が必要になるタイミングかもしれません。

最近では、人材不足や、コロナの後押し(?)もあり、優秀な人を惹きつけるために時間や場所が柔軟な働きかたも増えてきました。中には収入減とトレードオフになるものもありますが、生き方の多様性が高くなるに合わせ、選択肢が増えるのは良いことだと思います。

代表的な例では、法律事務所で働いている弁護士が結婚や出産を機に、家庭やプライベートに割く時間を増やすため企業に移る、などがあります。

大きなチャンスがある時の転職

転職でキャリアップと言われますが、給与や職位が爆発的に上がることは一般的ではありません。いくら人材不足の日本でも、残念ながら雇用されている限り、キャリアには退屈な連続性があります。

しかし、極稀に転職によってキャリアの大きなジャンプアップが可能な機会に巡り合えることがあります。

例えば、給与が50%アップする、職位が2階級以上上がる、などは非常にレアですし、もしあなたが海外で働いてみたいと思っているのであれば、それが叶えられるポジションも「大きなチャンス」です。

あなたの価値観に合致する形でめったにない良い求人を見かけたら、絶好の転職タイミングかもしれません。

辛くて逃げ出したい時の転職

今の仕事が嫌で転職するのはキャリアビルディングの観点からはほぼ確実にマイナスです。しかし、本当に堪えられない時はすぐに転職しましょう。
身体や心を壊してはキャリアビルディングどころではありません。

後ろ向きではありますが、今回紹介する転職タイミングの中でも、一番確実に転職するべきものがこちらです。

最後の転職

キャリア最後の転職タイミングはいつでしょうか。

シニアレベルの方のキャリア相談に乗っていると、雇用条件よりも、やりたいことを重視する方が多いです。今までの経験を総動員してやりたいことをやって有終の美を飾る、というのは憧れますね。

そのために知っておきたいのは、何歳まで転職の選択肢があるか、です。
正社員の場合、55歳を境に選考通過率がガクンと落ちます。
これより年配な方でも素晴らしいポジションに転職される場合もありますが、統計的には54歳までに好きなポジションを見つけてそこで長く活躍する、というのが安全そうです。
55歳のラインは業界問わず、日系・外資限らずあります。令和にもなって年齢によるラインを論じると怒られそうですが、現実に存在するので、絶対に知っておくべきです。

人材不足な中、高い能力と専門性が年齢を理由に活かされないのはもったいないので今後変わっていってほしいと思います。

いかがでしたでしょうか。

今は(特に関東では)転職者側の売り手市場で、比較的簡単に転職ができてしまいますが、気分で簡単に仕事を変えるのは避け、ここぞというタイミングで転職カードを切りましょう。
タイミングだけでなく、転職では回数も重要です。(参照
ジョブホッパーになるのを避けながら、正しいタイミングで転職し、あなたの求めるものをキャリアから得ていきましょう。

この記事がなにかの参考になれば幸いです。