転職におけるよくある誤解【その常識は実は非常識かもしれません】
転職エージェントの常識はみなさんの非常識。
この仕事を長くやっていると、ついついそうした「常識」を前提として相談者の方にアドバイスをしてしまうことがあります。
今回は、みなさんが意外と誤解している転職の常識についてご紹介します。
地味な内容ですが、希望の形で転職するためには重要なものばかりです。
転職エージェントとのコミュニケーション
みなさんは転職活動をしていない時に転職エージェントと電話などでコミュニケーションを取るでしょうか。
活動をしていない時は、とりあえずメールでポジション紹介を受け取るだけ、という方も多いと思います。しかし、時々話をして、現在のマーケット状況やキャリアビルディング方法のトレンドなどを聞いておくことで現職での動き方や、仕事外でのスキルアップ計画などに役立ちます。
多くの転職エージェントは転職活動をしていない方たちとも話しているため(私が普段話す方たちの半分以上は直近で転職を考えていません)、「エージェントの時間を無駄にしてしまうかも」という遠慮は不要です。
ジョブディスクリプションの要件
ジョブディスクリプション(企業の求人において、職務内容や募集要件について記載したドキュメント)の要件を真に受けすぎて、チャンスを見逃す方が散見されます。
例えば、TOIEC満点の方が、TOIEC800点以上が要件であるポジションに対して、「自分はオーバースペック」などと考えたり、〇〇の経験5年以上というポジションで、「自分は4年しか経験がないからダメだ」と諦めたりすることがあります。しかし、TOIECの方は飽くまでも800点以上であれば何点でも良いわけで、必ずしも満点の方がオーバースペックとは限りません。また、経験年数が少し要件に満たない場合も、経験の濃さや、それ以外のスペックとのバランスで内定が出る可能性があるため、考え過ぎると本来自分にピッタリであったかもしれないポジションを逃すことになります。
ジョブディスクリプションについては、前回記事で読み解き方のご紹介をしましたので、よろしけれこちらをご参照ください。
採用企業からの直接連絡
最近は、SNSで採用企業から直接自社ポジションへの応募勧誘が来ることが増えました。
よく「〇〇社の△△ポジションでオファーをもらった」と言い、いつまでも面接招待を待つ方がいらっしゃいますが、企業からの直接連絡があったとは言え、面接確定とは言えません。
中にはダメ元で非常に広い範囲の候補者にこうした勧誘を送るリクルーターもいるため、応募希望の旨返信したけど、その後一切連絡が返ってこないというケースも珍しくないです。憧れの企業から連絡を受けたとしても舞い上がらず、冷静に対応することが重要です。
そこそこの興味度での応募
興味のあるポジションを見つけたけど、内定が出ても入社するかわからないため、応募するのは相手に失礼と感じるという方はいらっしゃるのではないでしょうか。
実際はまったく気にすることはありません。大多数の企業(採用者)は、応募者にそこまでのコミットメントは求めておらず、少しでも興味があるのなら話す機会を持ちたいと思っています。
最近はカジュアル面談と称して、「正式応募して面接するほどでもないけど、少し興味がある層」向けに気軽に話し合いの場を設ける試みをする企業も増えてきました。
少しでも気になる、もっと知りたい、と思えるポジションがあったら、細かいことは心配しないで一度直接話してみることをお勧めします。
一度応募した会社への再応募
〇〇社でいつか働きたいと思っているけど、今応募して見送られたり、自分から選考辞退したら、将来再チャレンジする時に不利にならないだろうか。このように心配される方は多いのではないでしょうか。
これも完全に杞憂です。目安としては1年くらい空ければ再応募可能ですし、前回の応募時とは異なるポジションであったり、前回応募から新しい経験を積まれたりしている場合は、1年未満の再応募も問題ありません。この際に不利になることは何もなく、むしろ前回で相手企業に良い印象を与えているのであれば有利になることすらあります。
現に、今私のチームがご転職活動をお手伝いしている方の一人は、昨年内定辞退をした会社に再応募されましたが、問題なく最終面接まで駒を進めています。
選考過程中の辞退
中には一旦応募したら相手から見送られない限りこちらから辞退するのは失礼、と考える方もいらっしゃいます。これもあり得ません。
選考(面接)を受ける過程は、企業があなたを評価するだけでなく、あなたが企業を評価する場でもあります。オファーレターに入社同意の署名をする前であれば、いつ辞退をしても失礼にあたりません。
複数同時応募
義理堅い方は、複数のポジションに同時応募することに罪悪感を感じられるかもしれませんが、同時応募は転職活動の基本です。
興味のある選考を複数同時に走らせて、選考課程で優先順位付けをしていき、最終的にどこの内定を取るか決める、というやり方がお勧めです。
あなたが複数社に応募しており、自社がその中の一つであることを知って腹を立てる企業はありません。
複数同時応募はさまざまなメリットがあります。
よろしければ以前の記事をご参照ください。
後悔しないための複数応募