【若手グローバル人材採用】狙った人材に来てもらうには
いくつかの企業から以前掲載した若手英語人材の採用に関する記事にポジティブなフィードバックをいただいたため、今回はさらに深掘りして、具体的にどうやって彼ら/彼女らをアトラクトしていくと良いのかについて解説します。
- 前提
- 若手グローバル人材をアトラクトするには
- 最後に
若手グローバル人材の定義
若手グローバル人材の特徴
若手グローバル人材プール
英語の使用機会
グローバルビジネスへの関わり
海外文化・人との関わり
金銭的評価
非金銭的評価
自由で堅苦しくない環境
前提
まずは今回のターゲット人材の定義と、若手グローバルタレント採用を取り巻く現状について簡単に説明します。
以下をご覧ください。
若手グローバル人材の定義
ターゲットとなる人材の定義は以下とします。
- 年齢:第2新卒〜29歳
- 英語力:初級ビジネスレベル以上
- 学歴:4年制大学卒業以上
- その他:Bicultural/Multicultural。他の文化・慣習に対して理解を示しながら対応できる。
※英語初級ビジネスレベルは「たどたどしくても読み書き、会話ができ、顧客対応など以外は、一般的な業務を遂行する上で大きな問題がないレベル(目安はTOEFL IBT60点以上、IELTS全科目平均6点以上)とする。
若手グローバル人材の特徴
ミドル〜シニアレベルのグローバル人材と比較して、最も顕著な特徴は、会社やポジションへの期待値・要求が高いことです。
グローバル人材以外の若手にも言えることですが、彼ら/彼女らはまだ自分の市場価値を客観的に見たり、複数の会社の就業環境や待遇を知る機会を得ていません。このため、あなたの会社や採用ポジションに求める要求水準が現実離れして高いことが少なくありません。
選考中は、彼ら/彼女らの持っている理想と現実とのギャップをハンドリングしながら、あなたの会社・ポジションの魅力を効果的に伝えていく必要があります。
若手グローバル人材プール
ターゲットとなる人材プールは非常に小さく、こうした候補者を探す上で、2つの大きな問題があります。
若年層の人材不足と、英語話者の少なさです。
まず若手人材の不足ですが、世界でも日本の高齢者人口比率はずば抜けています。それに加え、他の先進国と比べて相対的に求人(特に若年層を対象とした)が多いため、当然若手の採用が難しくなります。

出典:総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1135.html
次に、英語力の話者の少なさです。
日本でも英語を話せる人が増えてきているとは言え、まだまだ少なく、見つけるのが困難です。
世界最大級の語学学校EFの2019年の調査では、日本の英語力は世界53位とされています。先進国の中ではかなり低いですね。
出典:EF Global Ranking of Countries and Regions
https://www.ef.com/wwen/epi/
これらに加え、ようやく探した人材があなたの会社の選考を通るとは限らず、オファーを出しても来てもらえるかわかりません。
このように若手グローバル人材を採用するのは、2つの針の穴に同時に糸を通すほど大変なのです。
若手グローバル人材をアトラクトするには
それでは実際に彼ら/彼女らをどうやってアトラクトしたら良いかをご紹介していきます。
選考企業であるあなたには言わない(言えない)若手グローバル人材の本音を元に書きました。
全て対策できる企業はなかなかないと思いますが、1つでも改善できれば競合にリードを取れるので、ぜひ参考にしてください。
英語の使用機会
若手グローバル人材のアトラクトには大きく分けて、3つのカテゴリーがあります。「機会」「評価」「環境」です。
第一カテゴリー「機会」の1つ目は英語の使用機会です。
当然、こうした人材は自分たちの強みが英語にあることを知っています。持っているスキルは使いたくなるのが人情で、英語使用機会が多いというのは大きなアピールポイントです。
あなたは英語の話せる人材を探されているので、当然英語を使う機会は提供されるでしょうが、その頻度はどうでしょうか。
もし高頻度である、または英語スキルの上昇に伴って頻度も上がってくるようであれば、そうした部分を強調し、候補者をアトラクトしてください。
必ず刺さります。
また、英語の読み書きよりも、会話の使用機会を望む人が多いので、その点についてもアトラクトする時に参考にしていただければ幸いです。
グローバルビジネスへの関わり
「機会」カテゴリー2つ目は、グローバルビジネスへの関わりです。若手グローバル人材の多くは、英語の使用だけでなく、仕事内容もグローバルにこだわります。海をまたいでのクロスボーダー案件などがあれば、是非アピールしてください。
こうした案件は本社勤務となる日系企業の方が多いですが、外資の場合は、「本社やAPAC HQからオーダーを受けているプロジェクト」や、「APACチームという括りで取り組む〇〇」なども興味を持つ人が多いので、これらでアトラクトを試みてください。
グローバルな文化交流・人との関わり
最後の「機会」のカテゴリーは、国際的な文化・人との交流機会です。若手グローバル人材の多くは、海外の文化や人に興味があり、これらとの接点を持ちたいという思いから語学なり、他文化への理解なりを高めています。このため、仕事を通してそれらに触れていきたいというのは自然です。
具体的な例を挙げると、上述のグローバルビジネスへの関わりに加えて、外国籍社員の存在、海外出張や海外勤務のチャンスなどが挙げられます。
もしこうした事実、またはそれに類似したものを提供できるのであれば、ターゲット人材のアトラクトのための強力な武器になります。
金銭的評価
ここからは「評価」カテゴリーです。
若手グローバル人材に限った話ではないですが、オファー金額でのアトラクトは非常に有効です。
若手グローバル人材の特徴で述べたようにこうした人材があなたのオファーに求める要求は高く、それは給与に対しても同様です。また、英語のできない若手人材と異なり、彼ら/彼女らには、語学力という自分たちを他の候補者から差別化する明確な指標があるため、自分たちの年齢で得られる一般的な給与レベルだと納得しません。
特に日系企業にとって特別に高い給与のオファーは難しいですが、入社準備金やボーナスでの補填など、なるべくいろいろな可能性にあたってみると良いと思います。
非金銭的評価
「評価」カテゴリー2つ目は、金銭以外の評価です。
上記 英語の使用機会、グローバルビジネスへの関わり、グローバルな文化交流・人との関わりの可能な範囲での提供、また、自分が評価されていると感じる選考の進め方(圧迫面接をしない、面接官が予めレジュメをきちんと読んで準備している、面接と面接の間で待たせない{参照}等)を工夫していく必要があります。
自由で堅苦しくない環境
最後に「環境」です。
今回のターゲットになるような人材は、就業環境にも強いこだわりがあり、とにかく自由で、風通しの良い環境を好みます。イメージ的には、シリコンバレーのIT企業です。このため、強制飲み会のような昭和の体育会系ノリや、完全年功序列制などの封建的な企業体質が見えると警戒します。
そういった事実がないにもかかわらず、候補者を勘違いをさせてしまう例をよく見ますので、気をつけるべきです。過去にある企業が「ついつい休日でも集まってしまうほど仲が良い」ことを強調していました。すばらしいことだと思いますが、伝え方とタイミングを間違えるとプライベートも束縛されるブラック企業に聞こえます。
もちろん、自社のネガティブなイメージを相手に与えないという守りの対応だけでなく、候補者の好みを踏まえて、自社の就業環境についてのアピール(事実に則していることが前提ですが)していく攻めの対応も必要です。
最後に
これらのアピールを「定量的な情報に基づいて」やることが非常に重要です。
例えば「うちはグローバルで、英語を使う機会がたくさんあって、中には海外出張や長期の海外勤務をする人もいるよ」のように説明する企業は多くあります。しかし、多くの候補者は用心深いため、このように読みかえます。「うちはグローバルビジネスも極一部やっていて、英語を使う機会も一応あるよ。5年に一回くらいは海外出張に行くかもしれないし、長期の海外勤務をする人も100人に1人くらいはいるよ」
日本人は、情報の受け手側によってある程度解釈に幅の出るような、定量的に判断できない情報はネガティブサイドに見積もりがちで、これはグローバル人材も同様です。
これを防ぐために、数字などを使って、できるだけ具体性を持って自社の魅力をアピールすると非常に効果的です。
いかがでしたでしょうか。
若手グローバル人材採用は頭を悩ませている採用担当の方が多い分野だと思います。もし、何か質問や、書いて欲しいことなどあれば、こちらからお問い合わせください。